2014/02/17皮膚科ちょろい科? その弐

入局して半年ほど経った頃でしょうか。とある大先輩が次の様な話をしてくれたことがありました。その先輩が入局した頃は、よく前任の主任教授が医局に姿を見せ、その先輩を始めとする新入医局員を認めると、「今日は何か疑問に思う点はなかったかね。」と声を掛けてくれていたそうです。そうして次の様に話していたそうです。「入局後半年はわたしを含め先輩達にどんどん質問しなさい。しかしその後は本を読まなければならない。」と。現在は線もい試験対策として、医局内で教育システムを持つようになりましたが、わたくしが入局した時点では不十分なものであったし、ましてその先輩が入局した頃にはそのようなものは皆無であった訳ですが、医局が小さいことで前期の様な羨ましいことが起こり得たのです。皮膚科の教科書としては、前筑波大教授上野先生の「皮膚科学」、前北里大教授西山先生の「皮膚病アトラス」に代表されるコンパクトにまとまった名著がありますが、比較的大著で、定期的に新版が出る物となると、やはり英語で書かれた物になります。その代表選手としてROOKのTextbook of Dermatologyがあります。最新版は第6版で、A4版2段組で4分冊総ページ数3683です。形式は各項目ごとに要約がなされており、その知見をどこから得たかを参考文献として羅列してあります。つまりこれだけの大著がまだ入り口に過ぎないということです。ということで、前号に登場した女医さんは、この書物の存在を知らないのではないかというのがわたくしの予想です。

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