2014/02/17ピアスについて

ピアスの孔を開けるということは、原理的にはどういうことでしょうか?


耳たぶの皮膚の構造は、表面から、表皮・真皮・皮下組織で構成されますから、耳たぶにピアスを突き通すということは、表皮-真皮-皮下組織-真皮-表皮を貫くことになります。そうしてその後、表皮細胞が、開けられた孔に沿って侵入して行き、トンネル工事の時に、穿ったトンネルの表面をコンクリートで固めるが如く穴の周囲を被って行き、表皮のトンネルとしてのピアス穴が完成するわけです。その間少なくとも4週間はかかりますので、きれいな孔をつくるためには、最初に突き刺したピアスをそのまま入れっぱなしにすることが最も重要な要件となります。巷では安全ピンで開けた後にピアスに差し替えたりすることがあるようですが、この点を考慮しただけでも望ましくない行為であることがわかると思います。また不完全な孔では、体液によりピアスの金属成分が溶け出して、金やプラチナを含めて、その金属が用いられているピアスがその後使えなくなってしまうことがあります。よってさいしょは溶解し難く、元々が貴金属ではないチタンでできたピアスを用いられた方が有利です。


以上、衛生的な面からも医療機関での実施をお奨めするものです。

← 前の記事 記事一覧 次の記事 →
ページの先頭へ戻る