ニキビの治療の基本は、毛穴を塞いでいる角質を取り除く物質の外用+抗生剤の外用の併用です。日本には前者の有力な成分である過酸化ベンゾイル製剤が長らく存在していませんでした。
日本皮膚科学会の働き掛けによりやっと導入され、前後して発売されたレチノイド様作用物質と合わせて、国際標準治療がやっと始まりました。その結果どうしても肌の乾燥が伴うことになりました。
製薬会社サイドでは保湿剤の併用を奨めています。背景としてはニキビの患者さんが必ずしも脂漏肌ではないというデータがあります。しかしながら多くの方、特に思春期の方は脂漏肌が多く、個人的には過酸化ベンゾイル製剤およびレチノイド様作用物質の外用インターバルを適切に持たせる方がいいと考えます。少なくとも油性保湿剤は避けたいです。
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